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眠れる遺伝子

少し前に、こんな記事を読みました。
大学時代、一応遺伝子なるものをいじっていたので大変興味深いものでした。
内容は、遺伝子の9割は眠っている(活性化されていない)が、それは何かの拍子にスイッチがオンになり、すばらしい能力を引き出す可能性があるという事を村上和雄・筑波大名誉教授がインタビューでおっしゃっていました。

よく『これは遺伝だから仕方ないよねー、カエルの子はカエル』という表現が用いられているが私はあんまりこの表現は好きではなかった。そんなことで物事を簡単に考えて可能性を削除してしまうなんて、もったいないと思うから。そしてその潜在的な力を引き出す可能性として”環境を変えること”、そして”見る前に跳び3年がんばる” これはかなり私も同感で、さらに勇気づけられました。
私の20代はかなりダラけていて、なんの目的もなくただ楽しいだけの毎日を送っていました。もちろん楽しいのはその時だけ、常にどことなく虚無感を感じ、これでホントにいいのかという焦りが大きくなって来ていました。そして20代最後の歳にやっぱりこれでは駄目だと思い、苦手だった英語から逃げるのをやめ、環境を変えてゼロから勉強して自分どこまで、そして何ができるか挑戦しよう考えようと思ったのが渡米の1つのきっかけでした。もちろん決意するまで相当な時間はかかりました。もう若くなかったし、今までのように”猪突猛進”的な行動をとり続けていいのかという不安もありましたから。そして、ここにきて勉強していても漠然と”本当にこれでよかったのか”と思う事も多々ありました。なんせ、大学入試以来、強度の英語恐怖症(英語のセンター試験でかなりコケましたもんで)、そして自分の専門外の分野を1から英語で勉強するのは想像以上に大変でした。
この記事を読んで大変励まされ、そして自分のやっている事に対して、もっと前向きに考えられるようになりました。私も大学院生活が終わるとちょうど3年が経過する事になるので、その頃に自分なりに納得のいく結果がでるようにがんばって行こうと思います。特に下記にある6項目はこれから、へこんだ時に自分に常に言い聞かせて遺伝子の活性化!?にはげんでいこうかなーなんて思ってます。←いや、その前に、日ごとに溶けていってる脳細胞をどうする??ってのもあるが。

以下、記事抜粋。

  ◆よく知られている通り、遺伝子の本体は染色体に収められているDNA(デオキシリボ核酸)です。DNAはらせん状にねじれた縄ばしごのような構造で、はしごの横木にあたる部分に約30億もの遺伝情報が書き込まれています。1960年代にそれは私たちの体を構成するたんぱく質の設計図であることがわかりました。
 続いてDNA情報の解読が進められましたが、それに伴い、遺伝子には働いていない部分や、無駄としか思えない部分の方がはるかに多く、全体の90〜97%を占めることが分かってきました。これらをジャンク(がらくた)と呼ぶ学者もいますが、私はこの部分に大きな意味があると見ています。
 たとえば「火事場のばか力」といわれるように、人間は極限状況で普段考えられない力を発揮します。これは眠っていた良い遺伝子のスイッチがオンになったからです。逆に悪い遺伝子のスイッチが入ってしまうと、さまざまな病気につながります。ただ、これも「笑い」などの好ましい刺激によってスイッチが切り替わり、治ることがあります。糖尿病の患者さんたちに吉本興業の漫才を聞いてもらう実験をしたところ、血糖値が平均46ミリグラム下がる効果が表れました。このように遺伝子は、決して固定した存在ではなく、条件次第で働きが変わっていくのです。
 −−良い遺伝子をオンにして、潜在能力を引き出す秘けつはありますか。
 ◆環境を変えるのが一番の早道です。私自身、学生時代は遊んでばかりいて成績も良くありませんでした。しかし大学院を出たばかりの63年、米国に留学したのがきっかけで、自分でも驚くほど「やる気人間」に変ぼうしました。「急に人が変わったようだ」といった言葉がありますが、これは遺伝子が目覚め、活性化した状態でしょう。
 逆に米国の心理学者、アブラハム・マスロー氏が人間の可能性を阻害する要因を六つ挙げていますが、こういった消極的生き方は遺伝子の目覚めを妨げるといえるでしょう。
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 ◇遺伝子の目覚めを妨げるもの
・いたずらに安定を求める気持ち
・つらいことを避けようとする態度
・現状維持の気持ち
・勇気の欠如
・本能的欲求の抑制
・成長への意欲の欠如
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 できるかできないか、効果的かどうかの評定は後回しにして、とにかく物事を始める、「見る前に跳ぶ」ことです。そうすれば道は開けてくるのです。
 −−何かにチャレンジする際、期限を設けるべきですか?
 ◆「石の上にも三年」といわれるように、3年が一つの区切りになるでしょう。私は若い研究者によくこんな助言をしています。「研究を始めたら、奥さんを拝み倒してでも、ボーナスを自分の研究に使いなさい。3年やればきっと芽が出るから」。他人に言われてやるのでなく、自分で自分を追い込めば、純粋な集中力を得ることができます。そして、その一つの方法が身銭を切ることなのです。
 −−最後に今の若者に、何かメッセージはありますか?
 ◆アポロ9号乗組員だったラッセル・シュワイカート氏に会った際「宇宙空間から地球を見ていると、ただ美しいだけでなく、自分が地球の生命とつながっていると感じた」と話していました。私も遺伝子という超ミクロの世界に降り立ち、同じ感動を味わうことができました。肉眼では見えない微細な空間に、万巻の書物に匹敵する遺伝情報が書き込まれ、正確に働いている事実を知ると、すべての生命の親のような、偉大な存在を感じないではいられません。
 これだけ科学が進歩しても、われわれは細胞一つ、ゼロから作ることはできないのです。この世に生まれただけで、1億円の宝くじを100万回連続当選したほどの幸運といえます。生命を大自然からの贈り物、ないしは借り物ととらえ、感謝の気持ちを抱くべきです。そうすれば自然によい遺伝子のスイッチが入り、人生もおのずとプラスに転じてくるでしょう。

by sakura-kiko | 2005-12-19 03:50 | つれづれ